どうしてあんな『ドロドロ恋愛小説』を書けたと思います? それは――ちょっと待って。
現代でも、そして世界でも愛されている1000年前の女流作家、紫式部。 人気の理由は…?
全部、リアルを見ていたから。
まず、平安時代。 今とは倫理観がちょっと違っていて、恋愛が政治にも人生にも影響する、超恋愛社会。 恋文は『教養の証(あかし)』、恋の噂は『情報戦』。 毎日の日常が恋愛ドラマ。
そして紫式部の職場は――宮中。 皇族や貴族の嫉妬、三角関係、略奪愛、失恋…そのすべてが目の前で繰り広げられる。 もう、人間観察の宝箱。
さらに本人も、感受性が鋭すぎて、『人の心が読めすぎる』タイプ。 だから恋の揺れ、嫉妬の痛み、孤独…あの繊細な感情を文字にできた。
そして極めつけ。当時の恋愛は『複数恋愛が普通』。 身分差、義務、秘密、禁断――今よりはるかに複雑だった世界。
だから紫式部は書けた。リアルすぎる恋。 泥のように絡む心。 1000年経っても刺さる、『人間の本性』そのものが『源氏物語』なんです。


